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ダイナミック・プライシングによる旅行業界への影響とは?メリット・デメリットを紹介

2020.1.20

近年、旅行業界だけではなく、さまざまな業界で「ダイナミックプライシング」が導入され始めています。ダイナミックプライシングとはどのようなものか、旅行業界ではダイナミックプライシングの導入でどのような変化がみられるのかを紹介していきます。

 

 

ダイナミックプライシングとは?
ダイナミックプライシングとは、マーケットの需要に応じて価格を変動させる方法です。「変動料金制」と言われることもあります。
通常、モノの価格は原価や人件費など、生産・販売する際にかかったコストで決められがちですが、ダイナミックプライシングではコストがかかっていない商品でも、消費者のニーズが高かったら価格がはね上がるということがあり得ますし、逆もまたしかりです。

 

例えばアメリカでは、すでに数年前からダイナミックプライシングを積極的に導入しています。国内で人気の高いアメフトやアイスホッケー、またメジャーリーグ、NBAなどのスポーツは、ダイナミックプライシングの有名な導入事例です。人気の高いチームの対戦チケットはもちろん、開催時期や天候、座席の位置など、元となるビッグデータから様々な要素を加味したうえで、AIによって値段が計算されています。
またAmazonではAIが自動で市場分析をして、サイト上の価格に反映しています。他にもUberやウォルマートなど世界的に有名な企業が多数導入していることで、現在注目を集め始めているのです。

 

旅行業界に見るダイナミックプライシングの仕組み
ダイナミックプライシングという響きはあまりなじみがないように思えますが、実は旅行業界は変動料金制を長く導入している、数少ない業界のひとつです。
同じ内容のパッケージツアーでも、お盆や年末年始などといった繁忙期と平日などの閑散期には値段が大きく異なります。これはまぎれもない変動料金制と言えるでしょう。

 

しかし、このパッケージツアーの料金は、航空会社から数か月前に提示された旅行会社向けの包括航空運賃をもとに決められた価格であり、決して時価というわけではありませんでした。それがここ数年で進んだAI化によって、リアルタイムで旅行商品の価値が判断できるように進化しているのです。この流れを受け、旅行業界でもリアルタイムで旅行代金を決定するダイナミックプライシング化が進みはじめています。

 

ダイナミックプライシングの最近の動き
2019年5月末にJALとANAがそろって、2020年春を目安に旅行会社向けの包括運賃決定にダイナミックプライシングを採用する方針を固めたと発表しました。個人向け航空券では、すでにダイナミックプライシングを導入している2社ですが、旅行会社向けの包括運賃も変動料金制になることで、これまでのパッケージツアーの料金の常識が大きく変わる未来が予測されています。

 

ダイナミックプライシングで考えられるメリットとデメリット
ダイナミックプライシングにはメリット・デメリット両方が存在します。
まず旅行者にとってのメリットから言えば、閑散期の料金がこれまでよりもさらにお値打ちになる可能性があるということ。裏返せば、繁忙期の旅行代金がさらに高額になる可能性がデメリットとなります。1日ごとに料金が異なり比較検討の幅が広がりますが、選択肢が多いと情報収集や比較が大変になるかもしれません。
一方で旅行会社にとってのメリットは、これまでの実績をもとにAIが価格を計算するため、値付けにかかる時間や手間が大幅に減る点です。しかし旅行代金が時価で決まるとなれば、旅行会社側はパンフレットを作りにくくなり、ビジネスモデルに影響します。
メリット・デメリットがそれぞれ存在しますが、旅行業界や旅行申し込みの仕組みが変わっていくといえるでしょう。

 

まとめ
変動料金制は旅行業界でかねてより採用されていた制度ですが、AIを使うことでより正確な需要をリアルタイムで知ることができるようになります。先に紹介した航空会社だけでなく、一部の旅行会社でもダイナミックプライシングが導入されています。今後旅行業界にダイナミックプライシングがますます浸透していくと、ニーズに即した価格設定による閑散期の活用など、柔軟性のある合理的でポジティブな変化により、海外渡航数が増え旅行業界の活性化が期待できるでしょう。

 

※2019年12月時点の情報を元に作成

 

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